自己愛性人格障害の理想化と脱価値化
自己愛性人格障害の方の人付き合いでは、理想化と脱価値化という現象がしばしば見受けられます。「理想化」という言葉はご存知かと思いますが、「脱価値化」という言葉は聞きなれない言葉ですね。
ここでは、自己愛性人格障害の理想化と脱価値化について学んでいきましょう。
理想化と脱価値化とは
まずは、言葉の意味をご説明します。
理想化とは、ご存知のとおり相手が自分の理想通りの人だと思いこむことです。恋愛の初期段階で起きやすい現象ですから、この言葉を知っているという方がほとんどでしょう。
脱価値化とは、理想化した相手に対して、その相手のことを知っていく上で理想が崩れ、逆に悪い評価になるような時に起こる現象のことです。
完全に理想的な人というのは、存在しません。ですから、一度理想化した相手が、理想とはかけ離れていたなんてことは珍しくありません。
この時、通常であればその現実を普通に受け止めることができるでしょう。「理想とは違ったけれど、理想なんてそんなものだ。」という風にです。そして、その所為で相手の評価がガタ落ちするということも、よほどのことがなければありません。
脱価値化とは、理想が崩れただけではなく、理想が崩れたために相手への評価がマイナスまで一気に急降下してしまうことを指します。これは、自己愛性人格障害の方の人付き合いにはよく起こり得る現象なのです。
理想化と脱価値化が起こりやすい状況
自己愛性人格障害の方が、自分のことを認めてくれたり、褒めてくれるような人物に出会ってしまうと、その相手を常に自分を受け入れてくれ、自分の価値をわかってくれる理想的な相手だと思ってしまいます。
ただし、そういった相手が自分の期待に応えてくれなくなると、激しく怒り、相手を最低な人間だと認定するようになります。そうすることで、自己愛を守ったり、自分を脅かす人間を遠ざけたりしようとしているのです。
自己愛性人格障害の方の他人への評価では、こういった現象が頻繁に起こります。
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