抑うつ型の自己愛性人格障害

自己愛性人格障害と言っても、他の精神的な障害がそうであるように、タイプがいろいろと存在しています。そのタイプにより、現れる特徴も異なる部分があります。

ここでは、自己愛性人格障害の中でも抑うつ型（過剰警戒型）と呼ばれるタイプについてご説明していきます。

自己愛性人格障害は大きく言うと２つのタイプに分かれます。それが、無自覚型と抑うつ型（過剰警戒型）です。

抑うつとは簡単に言うと気分が落ち込んで活動することが面倒だという状態のことですが、うつ病とは違いますし、抑うつ型自己愛性人格障害＝うつ病というわけではありません。

抑うつ型自己愛性人格障害の場合、注目の的になるのを嫌がったり、周囲の目や反応に過敏になったりします。また、目立つ行動を控えますし、内気で周囲と距離を置く傾向にあります。

また、異常に傷つきやすいという特徴もあります。屈辱感や羞恥を感じやすいため、それを避けるために周囲と距離を取っているようなところがあります。

消極的で後ろに控えていたいという気持ちがあるため、あまり目立ちません。自己愛性人格障害の特徴とは違うように感じるかもしれませんが、自己愛を傷つけられたくないという強い思いは抑うつ型でもそうではなくても、同じなのです。

上記のような特徴を知ると、抑うつ型のタイプの方は、無自覚型、誇大型とは違い、つきあいやすいと思うのではないでしょうか。

集団内で大きな問題を起こしづらいという傾向にはあるかもしれませんし、誇大型に比べると自己愛性人格障害だと周囲が気づくことも少ないかもしれません。

ですが、こちらがそういうつもりで言ったわけではないことでも、簡単に傷ついたり、いじけたりするため、つきあいやすいとも言い切れません。

本人と家族だったりととても近い関係ではない限り、やはり距離を置いて付き合うしかないのではないでしょうか。