自己愛性人格障害の全能感
自己愛性人格障害の方には、自分は何でもできるんだという「全能感」があります。これは、子供によく見られる現象なのですが、自己愛性人格障害の方は、大人になっても全能感を持ち続けています。
ここでは、自己愛性人格障害と全能感について考えてみましょう。
自己愛性人格障害と全能感
全能感とは、前述のとおり「自分は何でもできる」「自分は誰よりも偉い」という思いや感覚のことです。子供の時に、この全能感を抱く時期というのがしばしば見受けられますが、大人になっても全能感があると、対人関係に支障をきたすことも多々あるでしょう。
自己愛性人格障害の方には、こういった感覚があるということは、すでにご存知かと思いますが、自己愛性人格障害の方が抱く全能感は、本当に何でもできると思っているわけではありません。
寧ろ、意識の底では、彼らは自分は何でもできるわけではないと気づいていて、それを悟られないために、何でもできると虚勢を張っているような状態なのです。
自己愛性人格障害の治療では、この全能感をどう払拭するかが重要です。
全能感から解放されるために
「自分は何でもできる」という思いを持つ事は、悪いことではありません。そこに「努力をすれば何でもできるようになる」のように、現実的な根拠がくっついている場合、寧ろ生きる上での糧になるでしょう。
しかし、何の根拠もない危うい全能感を持っていると、周囲との関係がうまくいかなくなってしまいます。自己愛性人格障害の治療では、その誇大化された理想の自分像と、現実の自分との向き合いが必須です。要は「全てのことができる自分じゃなくてもいい」と思えるようにならなければなりません。ありのままの自分を受け入れるということです。
自己愛性人格障害の方は、この最大の特徴である全能感から解放されることで、苦しみから解放されると言えるでしょう。
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