自己愛性人格障害の歴史
自己愛性人格障害は、比較的最近になって認知されるようになった精神疾患の1つです。
今でこそ、耳にすることが多くなった自己愛性人格障害ですが、どのような経緯で広く知られるようになったのでしょうか。
ここでは、自己愛性人格障害の歴史についてお話ししていきます。
人格障害の歴史
自己愛性人格障害は、みなさんがよく知る精神疾患であるうつ病や統合失調症のような疾患とはまるで異なる精神疾患です。自己愛性人格障害は、人格障害の1つですが、人格障害自体が言葉として取り上げられ、本格的に研究されるようになったのは、1970年代に入ってからのことのようです。
それまでは、人格障害に当たる人たちが、どのように考えられていたのかというと、人格的な発達障害であって、精神病ではないというような定義でした。そのほかにも、人格障害は、異常な思考の偏りのことで病気ではないとしている研究者もいました。
このことからもわかるとおり、自己愛性人格障害をはじめとした人格障害は、精神疾患ではないとする考えが以前は多かったのです。
自己愛性人格障害はどのように認知されるようになったのか
今では自己愛性人格障害というのは、精神疾患の専門家でない人でも、聞いたことのある言葉になっています。そして、自己愛性人格障害は、精神疾患として扱われています。
自己愛性人格障害が精神疾患として提唱されたのは、1968年のことで、ハイツ・コフートというオーストリア出身の精神科医によるものでした。1980年には、DSM-IIIという精神障害の診断と統計マニュアルの第3版で自己愛性人格障害について定義されています。そこから、現在に至るまで、DSMの中には自己愛性人格障害に関する項目があります。
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