自己愛性人格障害と統合失調症
他の精神疾患を併発しやすい自己愛性人格障害ですが、統合失調症を併発する事はありません。自己愛性人格障害と統合失調症にはどの様な違いがあるのでしょうか。
統合失調症とは
統合失調症は幻覚や妄想が主な症状である精神疾患です。感覚や思考、行動が病気の為に歪んでしまい、社会生活に支障をきたします。
発症するのは10歳代後半から30歳代が多く、発症の男女比率は若干男性の方が多いと言われています。
進学や就職、結婚等の人生の変化が発症する契機になる事が多い精神疾患です。
自己愛性人格障害と統合失調症の違い
自己愛性人格障害の人は自分に対して誇大妄想を抱いていますが、統合失調症の人が主に抱えている妄想とは異なります。
統合失調症の場合は自分を否定する幻聴や自分を監視している様な幻聴が聞こえたり、周囲の人間が自分を敵だと思っているといった迫害妄想、道を歩いていると人に見られているという注察妄想、警察が自分を追いかけているという追跡妄想等の被害妄想を抱えています。
また自分の考えが他の人に知られている、自分は誰かに操られているという妄想を抱く事もあります。
その為、自己愛性人格障害の人は社会生活を普通に送る事が出来ますが、統合失調症の人にとって社会生活を送る事は非常に困難な事です。
精神科の医師は患者がどの様な妄想を抱いているかで病気を判断する事が出来ます。
しかし統合失調症の人は「自分は世界を動かす事が出来る」といった誇大妄想を抱く事もある為、誇大妄想の内容とその他に抱えている症状が無いかの確認が病名の判断をする際に重要になります。
自己愛性人格障害の治療はカウンセリングで行いますが、統合失調症の場合は薬物治療を受ける事になります。
「誇大妄想を抱く」という点では似ており、どちらも自覚が難しい病気ではありますが、自己愛性人格障害と統合失調症は全く別の病気であり、併発する事はありません。
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